金星の太陽面通過

金環食は曇りがちだったものの短時間だが見ることができた。

次は金星の太陽面通過だが、同じ仕組みによる現象とはいえ、
月による日食にくらべたら金星によるものは一般的な感覚では非常に地味だ。
金星の太陽からの平均距離は約0.723天文単位であり、その直径は約12100kmである。
太陽の直径が約139万kmであるので、
太陽面通過時の金星の見かけの大きさを、
太陽の見かけの大きさを基準とした比
xとして大雑把に見積もると、
1:(1-0.723)=1390000x:12100
なので、
x=\frac{12100}{1390000\times(1-0.723)}=0.03
つまり、太陽の見かけの大きさの3%程度しかない。
金環食の時の自分の使った観測方法での太陽の大きさから、
金星の影がどの程度の大きさで見えるのか見当がつくと思う。
同じ観測方法を取るのなら、その影の大きさがうまく見えるかどうか判断できよう。

今度の通過の場合、6時間以上かけてこの小さな黒い点が移動していく。
月による日食に比べて開始から終了まで時間が長いし、
また、投影板等で像を拡大しない場合はお世辞にも見やすいとはいえないので、
気をつけないと一生懸命見ようとして目を傷める可能性があり注意が必要だと思う。
フィルタを通していたとしても太陽を直接見る時間は短ければ短いほどよいと考える。
それと、金環食で使用した日食グラスを使いまわす場合、
取り扱いが雑だったり強度の問題でヒビや傷などがついている可能性があるので、
そういったささいな異常に気をつけて使用すべきと思う。

金星が関わる食現象としては他に今年のお盆の頃に金星食が起きる。
金星食なら目を傷めることなく存分に眺められる。
こちらも地味と言われれば否定できないけど……