いちおう導出過程

財布という存在を無くす確率をpN個の財布それぞれにA_1,\ldots,A_N円入っているとする。
A=\sum_{i=1}^NA_i円が全財布に入っている総計である。
N個のうちn個を落とす組み合わせの集合をS_nとする。
たとえばN=3ならばS_2=\left\{\left\{A_1,A_2\right\},\left\{A_2,A_3\right\},\left\{A_3,A_1\right\}\right\}となる。
S_nに含まれる各組み合わせの発生確率はどれも\left(1-p\right)^{N-n}p^nであるので、
ダメージの期待値Eは、
E=\left(1-p\right)^N\cdot 0+\sum_{n=1}^N\left(1-p\right)^{N-n}p^n\sum_{s\in S_n}\sum_{A_i\in s}A_i
さて、n個のうちA_1の財布が含まれる組み合わせの数は、
A_1を除いた残りN-1個からn-1個を選ぶ組み合わせの数{N-1\choose n-1}である。
A_1を他の財布にしても同じ議論ができるので、
S_nに含まれる組み合わせに含まれる各財布の数はどれも{N-1\choose n-1}個になる。
たとえばN=3,n=2ならばA_1の数は{3-1\choose 2-1}=2個であることが上で例示したS_2で確認できる。
また、A_2A_3も同数の2個である。
したがって、\sum_{s\in S_n}\sum_{A_i\in s}A_i={N-1\choose n-1}\sum_{i=1}^NA_i={N-1\choose n-1}Aである。
よって、
E=\sum_{n=1}^N\left(1-p\right)^{N-n}p^n{N-1\choose n-1}A=pA\sum_{n=1}^N{N-1\choose n-1}\left(1-p\right)^{N-n}p^{n-1}
ここで、n'=n-1,N'=N-1と定義すると、
E=pA\sum_{n'=0}^{N'}{N'\choose n'}\left(1-p\right)^{N'-n'}p^{n'}
総和で表されている因子は二項定理から、
\sum_{n'=0}^{N'}{N'\choose n'}\left(1-p\right)^{N'-n'}p^{n'}=\left\{\left(1-p\right)+p\right\}^{N'}=1^{N'}=1
なので、
E=pA
となりpAのみでダメージの期待値が決まる。